結局オナニーをするとハゲるのか【AGA】

インターネットでいろいろと調べていると「オナニーをするとハゲる」「オナニーでハゲるのは嘘」という二つの主張が存在する。

 

おそらくこの記事にたどりついてくれた人は、性欲盛んな若い世代で既に若ハゲに悩まされており、男性ホルモンの「テストステロン」「ジヒドロテストステロン」という単語は腐るほど目にしてきただろう。心中お察しする、私もその一人だ。ご存知の通り、いいやつが「テストステロン」、悪い奴が「ジヒドロテストステロン」である。こいつらの関係が若ハゲ(いわゆるAGA)の要因に直結するのだ。

 

さて、AGAの原因は「ジヒドロテストステロン」である。ジヒドロテストステロンはテストステロンが代謝することで生成されるものである。つまりテストステロンが代謝された時点でそれはAGAの原因になっているのである。ジヒドロテストステロンに代謝されても、レセプターの感受性が低くAGAを発症しない場合もあるそうだが、レセプターの感受性は遺伝的要素が強く一般人には本当にどうしようもない問題なのである。つまり既にAGAを発症しているものがレセプターの感受性が高いのは明白であり、テストステロンをジヒドロテストステロンに代謝させないことが唯一の対策であることも明白であろう。

 

そこでネットに気になる記事を見つけた。

「オナニーをすることでテストステロンはジヒドロテストステロンに代謝される」

これが本当ならばオナニーによってハゲる論争に終止符をうつことができるではないか。「テストステロンがジヒドロテストステロンに代謝される条件がオナニーであるかどうか」を調べる必要がありそうだ。

 

だが困ったことに、オナニーをするとテストステロンがジヒドロテストステロンに代謝されるという主張をする記事が多数あるのに対し、その根拠となるデータを示している記事がないのだ。データがないからには違う切り口でみていく必要がある。

 

先日日本性機能学会で、マスターベーションをしている時のホルモンの変化に関する研究があったのはご存知だろうか。(2016年11月の出来事なので本当につい最近)

この研究では、「勃起する前」「勃起した後」「射精の直前」「射精している瞬間」「射精した後5分後」でのテストステロンを調べるという実験である。
この研究で分かったことは、射精をする前に徐々に男性ホルモンであるテストステロンが上昇し、射精時をピークにして下降するということ
射精直前までテストステロンが大幅に上昇し、射精する時をピークにして、その後は下降してくるということが示された。

 

この実験結果を知って私が思うのは二つだ。

一つ目は、ジヒドロテストステロンの原料であるテストステロンの量が多くなるため、比例してジヒドロテストステロンも多くなる。

二つ目は、射精直後、テストステロン濃度が減少するのはテストステロンがジヒドロテストステロンに代謝されているから。

二つ目に関してはテストステロンが精液と一緒に排出されている可能性が大きいので、あまり期待はできないのだが、一つ目のはかなり有力である。

agaの男性が筋トレをするとハゲが進行するのもテストステロンが高くなるためと言われている。実際にハゲた事例も多数あるそうだ。

 

どちらにせよオナニーによってテストステロンの濃度値が大幅に変化することがこの実験で証明されたのだ。ジヒドロテストステロンの原料であるテストステロンの濃度値の大幅な変化をみせる限り、オナニーはやはり無視できない問題であると私は思う。

オナニーがジヒドロテストステロンの生成条件ということが分かれば一番いいのだが、私の調査不足なのか、それに関する信憑性のある文献がまったく手に入らない。やはり誰も手に付けていないテーマなのだろうか・・・是非ジヒドロテストステロンの値も測定してほしいものだ。

これからもまだ調べていく必要性がありそうだ。